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ロケーション

 イタリアには半島以外に二つの大きな島があります。サルデーニャ島とシチリア島です。南の端に位置しているのが、このシチリア島。地中海の中で、最も大きい島です。
 半島の南端レッジョ・ディ・カラブリアからフェリーで対岸のメッシーナとつながっています。
 南東に南アフリカのチェニジアがあり、そこからフェリーに乗って交易のために多くのアフリカ人がシチリアにやってきます。また、島の南東方面の海上にはマルタ島(マルタ共和国)があります。ここはルネサンス時代、オスマントルコと戦い、ヨーロッパを守った聖ヨハネ騎士団のいた島です。
 シチリア島全体がシチリア州で9県に分かれています。パレルモ、トラパニ、マルサーラ、シラクーザ、アグリジェント等の都市からフェリー等の船舶航路が発着しています。

イタリア全図
シチリア島全図
シチリア島全図
シチリア島の歴史
 シチリアの歴史で脚光を浴びる最初の事件はポエニ戦争でしょう。カルタゴが地中海支配を強めようとシチリア島に攻め込んだとき、シチリアの王国がローマに援軍を求めたのを発端にこの戦争は始まりました。その結果、カルタゴはなくなり北アフリカとシチリアはローマの属国となったわけですが、その遥か以前にもシチリアには別な文明が歴史を刻んでいました。
 紀元前1万年くらい前にアフリカから渡ってきたセシオティと呼ばれる部族います。ムルシアの村には「セジ」と呼ばれる円形の墳墓が、素朴な壁画が残されているトラパニの「ウッツォの洞窟」、パレルモ近郊の「アッダウラの洞窟」などがあります。その他の地域にも安定した農耕社会が出来上がりました。

 やがて、紀元前8〜3世紀にかけてギリシャ人が沿岸に都市を建築し独自の文化を発展させていきました。
 
ギリシャ劇場
ギリシャ劇場
 アグリジェントやアルキメデスがいたシラクーザの街は繁栄を極めましたが、カルタゴとローマの両方から攻められ、ポエニ戦争の後、ローマの属国となります。
 シチリア州はそれからしばらくの間、ローマの穀倉という役目を果たします。
 そのローマ帝国が滅亡した後は、ゲルマン民族の「ヴァンダリ族(468年)」東ゴート族(491年)」などの侵略を受け、東ローマ帝国の庇護を受ける事となります。この結果ビザンチンスタイルの寺院が多く建設されました。モンレアーレやパレルモにある大聖堂がこのビザンチンスタイルで建てられています。
     
ノルマン王宮
ノルマン王宮
 3世紀ほど続いた東ローマ帝国の支配の後、紀元827年にイスラム軍がシチリアに上陸し、以後イスラム教国に支配されます。進軍してきたときは冷酷残虐でしたが、彼等の支配は信教や文化の自由を認める寛容なものでした。948年に始まったイスラム支配はカルビト朝と呼ばれる王朝で1040年まで続きました。
 その後、北からやってきたノルマン民族に支配されます。ノルマン・アルタビッラのルッジェーロ王がジブラルタル海峡を通り、シチリアに上陸、イスラム勢力を追い出してここに国を創ります。これがノルマン王朝。王はまたたくまに300以上あったモスクを全て破壊したといいます。そのためシチリアにはイスラム建築はまったく残っていない。
  その息子のルッジェーロ2世は残っていたイスラム文化を積極的に取り入れ、シチリアを繁栄させます。
   ノルマンとイスラムの文化の混じりあった独特のスタイルはこの時期に形成されました。実際、この頃の政治や社会を動かしていたのはイスラムの人々だったのです。
 13世紀に入るとのルマン王朝の血を引く女王と神聖ローマ帝国の皇帝との結婚によりパレルモはその息子フリードリッヒ(フェデリーコ)が引き継ぎます。彼はイスラム文化も積極的に取り入れ、官僚制度も確立して先進的な政治を行った。ルネサンス一の賢帝と言われる。
 しかし、彼の死後、シチリア王国は政情が不安定になり、スペインのアラゴン家の支配されてしまいます。18世紀にはフランスのサヴォイア家の支配に替わり、引き続いて属国的位置にとどまります。
  支配はその後、ハプスブルグ家、ブルボン家へと変わり、19世紀に、ガリバルディが率いる赤シャツ隊がブルボン家を破り、シチリアは独立しました。


主な見どころ
カーサロマーナ シチリアは長い歴史の中で、色々な民族によって支配されていたため、それらの文明が入り交じった形で残っている。その混合された文化により創られた建造物や風物がシチリアの魅力である。
 王朝があったパレルモ、マグロ漁と塩田で有名なトラパニ、巨大なギリシャ神殿が残るアグリジェント、映画、「グランブルー」で知られるようになったタオルミーナ、ローマの館の床のモザイクが世界遺産になっているアルメリーナなどが有名です。
 それぞれの都市の魅力については、その都市のページをご覧ください。
料理とワイン
 地中海の南に位置する温暖な気候のシチリアでは、多くのワインが造られています。またここではぶどうの成育する季節には雨が殆ど降らず、寒暖の差が大きいため、ワインの生産には適している地域です。そのため殺虫剤や除草剤も使わずに済むといいます。
 ラグーザ地方で造られる「コス」はアンソニカというぶどう品種100%で製造されるVdTワイン。
 シチリアがイスラム教国に支配されていたときは、製造が止まっていたというから、それ以前から造られていたという歴史あるワインです。
  また同じくシチリアの西地区で造られているのが「ラピタラ」。ブドウ品種はカタラット100%。これはDOCの白ワインです。
 パレルモの南で造られているのが「テッレ・ディ・ジネストラ」VdT。ぶどう品種は、メルローを中心にシラー、ネロ・ダボーラ等が使われています。