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マテーラの古いサッシ地区 |
マテーラ地域に最初に人類が定住したのは旧石器時代のこと。その頃から自然にできた洞窟に住み、必要によって中を加工して住んでいた。
ローマ時代、その崩壊後の他民族支配の時代も人々は洞窟住居に住んでいた。自分たちの生活を守るのが精一杯で貧しい生活を強いられていた。
11世紀のノルマン人征服以後、貴族達は街に住み、教会や貴族の館などが立ち並ぶなど発展していったが、多くの人々(労働者、農民、職人)はサッシ(洞窟住居)に住むという状況が続いた。
ナポリ公国の一部に組み込まれ、アラゴン家やブルボン家の支配を受ける時代も相変わらず、人々はサッシに住み、貧しい状態は変わらなかった。
この状態は19世紀のイタリア統一後も続き、このマテーラ地区が経済的状況の改善と再開発が行われたのは、実に20世紀に入ってからだった。道路工事、下水処理、水道工事などが行われた。その結果、人々はサッシを離れ、郊外に新しく建てられた住宅に移り、古いサッシ地区は放棄された。
世界遺産に登録された現在は、少しづつ人々が戻り始め、サッシの保存も進められている。 |