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 鶏のローストと去年食べ損なったトリッパだが、鶏は無難な料理。両方変わった料理を頼んで、共に期待外れだとかなりしんどいので、こういうオーダーにした。
 じゃがいものフライは、ファーストフッド店などで出るスティック状のものを想像していたが、(事実去年そんなのを食べている)きたものはかなり違っていた。ドイツ風のフライに似た切り方で、もっと大雑把で大きい。しかも味がローズマリー風味。ローマと同じ水いもで、私は好きだ。
 トリッパは内臓料理で、俗に蜂の巣といわれる部分を短冊状に切ったものをトマト味で料理したものだ。トリッパだけの料理で、歯ごたえがある。
 前に東京で、アンティパストで食べたことがあったが、それはパンの上にのせてあったからもっとトマト味の濃厚なタイプだったが、こちらのトリッパはさっぱり味だった。でも、心配した臭みはなく、おいしく食べられた。だが、ぜひ食べることを薦める、というほどではない。正直言って東京で食べたアンティパストのトリッパのほうがおいしかった。でもこの味の方が癖はなく飽きがこないだろう。
 鶏のローストは日本にもよくある味と言えそうで、実はちょっと違うような気がする。
 基本的には、日本でよく食べる片足分の腿の、塩味のローストだが、それに使われている香辛料の香りが違う。これが独特の味を出し、引き締めている。大変食べやすくおいしい。ここは、おいしいレストランだ。

 

 我々の隣には、子供連れの夫婦がいた。
 子供は男の子が二人で、両方とも小学生くらい。母親はまだ若く三十代後半から四十というところ。イタリアらしい情熱的な感じの美人である。父親はマフィアもかくやというばかりのコワモテ顔。
 奥さんは悠然と食事をして貫録十分。父親の方が子供の世話をしていた。
 二人の子供はどちらも繊細な感じで特に下の子はおかあさん子らしく、その隣にぺったりとすわっていた。しかし、全体が醸し出す雰囲気はまさに睦まじきファミリー。感心した
 店の雰囲気にも料理の味にも満足できた。これで気になるメニューもいくつかかたづけたし。そして金額も安い。ローマは高かった。