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ローマ時代-4

4.繁栄から滅亡へ
 その後、5賢帝の時代(ネルヴァ、 トラヤヌス、 ハドリアヌス、アントニヌス・ピウス、 マルクス・アウレリウス 96〜180)に領土は最高になり東はシリア、西はイギリス中部までのばした。
 ローマ帝国は、その初期の頃から他民族を積極的に自国の民として受け入れ、同化させて来た。そのため、ローマ帝国の全域にわたってローマ市民権を持つ者が増加していった。ローマ市民の税金は兵役で所得税は無税だった。平和になるに従って税収は減り、一方イタリア人以外のローマ市民が増えていった。5賢帝の時代に既に属州(イタリア本国以外の国)出身の皇帝が誕生している。
 ケルン(属州)出身の皇帝コンスタンティヌス帝(306〜337)のとき、イタリア本国の腐敗に愛想をつかした彼は395年にローマを2分し、自分は東ローマ帝国の皇帝としてビザンチウムへ行ってしまった。その都市を自分の町コンスタンチノープルと名付け、以後ここが東ローマ帝国の首都となる。
 イタリア半島を中心とする西ローマ帝国は、自国から出ない狭量な元老院議員とほとんどゲルマン人で構成された執政官を含む軍隊とが争いを続け、内戦と暗殺を繰り返して476年にゲルマンの傭兵隊長オドアケルによって滅ぼされる。
 黒海の入口に首都を持つ東ローマ帝国(ビザンチン帝国)はその後、約1千年続き、15世紀半ばにオスマン‐トルコによって滅ぼされた。
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参考にした書籍
●「ローマ人の物語」塩野七生著 新潮社刊
塩野さんの書く大変読みやすく面白いローマの歴史物語。ちょっと高い(¥2,200くらい)が興味のある人には必見の書である。
塩野七生さんを紹介しているホームページ
塩野七生の読者とイタリアの歴史/美術/観光を楽しみたい人のホームページ
http://www.eva.hi-ho.ne.jp/kitahiro/
MEDITERRANEO 塩野七生の世界
http://homepage1.nifty.com/shibaso/
●「皇帝達の都ローマ」青柳 正規著 中央公論社刊 ¥860+消費税
●世界の都市の物語「ローマ」弓削 達著 文春文庫 ¥524+消費税