歴史タイトル

ローマ時代-1

カピトリーノの狼

1.王政から共和制へ
 伝説によると、紀元前8世紀頃、狼に育てられたロムスとレムルスの双児の兄弟がローマの元となる国を起こした。
 やがて兄弟は争い、兄のロムルスが勝ったためロムルスの国「ローマ」になったという。
 建国当時のローマは王制の国だったが同時に直接民主主義の国でもあった。つまり王は市民の選挙によって決まり、世襲制ではなかったのだ。また貴族から選ばれた元老院(セネタス)が王の政治を補佐した。元老院は王が直接任命している。また、彼等は近隣の国からローマに移住するのを奨励していて、外から来た民族も先住の民と同等の権利を与えた。そのため、同じラテン民族のみならず、近隣のエトルリアの国からも移住して来て、ローマの城壁内にすむ人たちが増えていった。当時ローマは現在のフォロ・ロマーノ近辺の7つの丘あたりに住んでいて、一つの丘には一つの民族がかたまって住んでいたようだ。そんなローマの方針が功を奏し人口が増え、国としても強くなっていった。
 その後、ローマは領土を広げ、次第に大きくなっていったが紀元前5世紀頃、選ばれて王になっていたエトルリア人の王が専制的になっていったため彼を追放、元老院を中心とした共和制の国になる。その後、追放された王が他のエトルリア国家を焚き付けてローマを奪回しようとして戦争を仕掛けて来た。近隣の他の部族もローマの勢力拡大を嫌って参戦。
  こうして、しばらくは近隣の国々との戦争が続いたが、一進一退を繰り返しながらも次第に勝利するようになり、ついに中央イタリアを征服。
 また、南イタリアを支配していたギリシャ人のポリス国家も倒しイタリアをほぼ掌握した。
 内政的には、元老院を統率する最高の行政官の執政官(コンスル)が実務を統率するようになり、 後に平民の権利を代表する護民官職や非常時に全権を委ねられる独裁官(ディクタートル)などが設けらローマの共和制は完成する。(ローマ時代の年表を見る