サン・ロレンツォ大聖堂

サン・ロレンツォ大聖堂

 街の南を横断しているサン・ペッレグリーノ通りを西に向って突き当たった左にある大聖堂(通 称ドゥオモ)。
 12世紀に建立された。現在のルネッサンス様式のファサード(正面意匠)は1570年に造られた。14世紀に造られた横縞の入った鐘楼はトスカーナの影響がうかがわれる(シエナ様式というタイプか)。
 内部は、美しい柱頭飾りをもつ円柱が立ち並ぶ三廊式で、床面はコズマーティの工匠達の手によって造られている。ヴァチカンの長い歴史の中でも唯一人のポルトガル人の教皇ヨハンネス21世は、このヴィテルボで亡くなっているが、その石棺が入り口近くの壁の左手にある。
  その近くにフレスコ画断片が残っているがこれは14世紀(フレスコ画としては初期のものとなる)に描かれたものである。
 右側廊入ってすぐのところにある洗礼盤(洗礼式を行う水を入れた円盤)は、1470年にフランチェスコ・ダ・アンコーナが造ったものである。
 壁画は、他に「聖女カテリーナの婚礼と諸聖人」パストゥーラ派描。「祝福を与えるキリストと諸聖人」、「カルボナーラの聖母」(12世紀末の板絵)などがある。