パルマの大聖堂

パルマの大聖堂
Duomo


 パルマがコムーネとして発展し始めた11世紀頃建てられたが、1055年に焼失してしまった。その後すぐに再建されたが、今度は1117年地震によって損壊、再び再建された。現在の建物はその頃建てられたものである。ポー川流域ロマネスク様式の建物でファサードはベネデット・アンテラーミがデザインした。大きな壁で構成され重苦しくなるところを3層の開廊を設けて軽やかさを演出している。ロマネスク様式は壁で屋根の重さを支える構造なので窓等の開口部を多く取ることができない。そのため壁の面積の広い重苦しいデザインになりがちであるが、アンテラーミは開廊を設けることによって単調になるのを抑えた。
 内部は3廊式でラテン十字形をしている。柱頭の美しい角柱で支えられ、マトロネウム(婦人席)とクリプトの上が内陣になっている。
 一段高い中央身廊の壁面は16世紀のジロラモ・マッツォーラ・ベドーリのフレスコ画で被われている。
 クーポラにはコッレッジオの描いた「聖母被昇天」(1526〜30年)がある。これは、コッレッジオがサン・ジョヴァンニ教会に「聖パオロの幻視」の後に描いている。この絵が光不足でよく見えなかったのを反省し、多くの明り取り窓を新たに設置させて、描いた。そのため、教会内が薄暗くなる夕方等には暗がりに明るく浮き上がる形で「聖母被昇天」が見えるという劇的な効果を実現している。


大聖堂、鐘楼と洗礼堂


大聖堂入口の柱廊式玄関の柱を支えるライオンの像