コッレッジオの部屋

 

コッレッジオの部屋


 以前は、サン・パオロ・ベネディクト女子修道院の食堂であったもので、そこにコッレッジオの天井フレスコ画が描かれているので、今はコッレッジオの部屋と呼ばれている。マチェドニオ・メッローニ通りに面している。
 16世紀前半、この修道院の院長だったジョヴァンナ・ダ・ピアツェンツァがその私邸のあった場所に現在の建物を造らせ、装飾を施させた。1519年にコッレッジオがこの部屋の天井にフレスコ画を描いた。
 リュネットの上におかれたリブの間を16にわける傘型のドームが被っているが、コッレッジオはこれを蔓棚に仕立てて描き、リブとリブの間に楕円形の穴を開け、そこから天に住むプットー達が垣間見える様を描いた。そこにはリュネットに描かれた古代の人々と関連のあるエピソードが添えられている。
 例えば、リュネットにはギリシャ神話の神「ディアナ(アルテミス)」が描かれており、天井には切り取られた鹿の首を持つプットーが描かれている。これはディアナの水浴する様を覗きみたアクタイオンが鹿に変えられ、自分の猟犬に殺されたというギリシャ神話のエピソードを描いたものだ。
 この部屋に入ったものはあたかもこの部屋の天井にいるプットーの様を見ているかのような気持ちにさせる臨場感のある絵画を見ることができる。同じパルマにあるドゥオモの「聖母被昇天」やサン・ジョヴァンニ教会にある「パオロの幻視」と並んでぜひ見てほしいコッレッジオの傑作である。