市内バス利用の紹介

イタリアの市内バスについて
 イタリアには市内を走るバスと市外に運行している長距離バスがある。場所によっては、その区別が曖昧な所もあるが、大体、運営している会社が違っていて、バスの色も中の椅子も違う。
 ここでは、市内を走るバスの利用法について説明したい。大抵の町にはバスが走っているし、旅行者がそれを利用する事も多い。ただ、システムが日本のバスとは違うので、イタリアでバスを利用したいと思っている人は、必ず読んで参考にしてほしい。

市内バスの利用
1.切符の買い方
2.乗る際の注意事項
3.主な切符(画像)
4. 市内バスのルート

1.切符の買い方
 
2.乗る際の注意事項
●日本との違い
 イタリアの市内バスと日本のとの一番大きな違いは、切符の買い方である。
 イタリアではバスの中で切符を売っていないし、バスの中で現金で払うことも出来ない。運転手は料金には一切かかわらないのだ。運転手は車を運転するだけ。
 だが、最近バスの中に切符の自動販売機を設置しているバスが出始めた。ボローニャでその映像(you tube)を紹介している。しかしイタリアはよく機械が故障する国なので買ってから乗った方が無難。
●売っている所
 バスの切符は「ビリエット」というが、これは街中のタバッキバール、駅構内の売店で売っている。料金は定額なので種類は一つしかない。
 ローマ等の大都市では、1日券もある。ただしこのような特殊な切符は、切符専用売り場にしかないことが多い。また、イタリアでは都市ごとにバス会社が違うらしく、隣の街へ行ったら、前の切符は使えない。
●買い方
 切符を買うときは、上記の店に行って「ビリエット何枚」と言えば買える。
1枚なら
ウン ビリエット ペルファ ヴォーレ
4枚買いたければ
クワットロ ビリエッティ ペルファ ヴォーレ
である。
 イタリア語での数の数え方は「イタリア語会話」の欄を参考に。
 枚数は 指で示しても買える。要は分かればいいのだ。
 また、切符自体には使用期間はないから2・3日いるならその日数で使うと思われる枚数をまとめて買っておくこともできる。ただし上に書いたように、使えるのは1つの街だけ。他の街の分は、そちらで買おう。
 形は日本の電車の切符と同じくらい。ただ、最近は磁気カードのものもある。これだとクレジットカードなどと同じ大きさ。
 

●乗る前
 必ず、切符を買ってから乗る事。バスの中では切符を売っていないし、切符を持たずに乗ると罰金を取られる。ただ、運転手は切符にはかかわらないので、罰金を取られるのは、チェックの人が乗っているときに限られる。それでも、必ず買ってから乗ろう。
 行き先は、同じ番号でも同じとは限らない。駅前が終点でなければ行き先は2種類ある。間違ったバスに乗らないためには、乗る直前に、そのバスが行きたい所に行くか確認して乗ること。
●乗るとき
 バスの乗り口と降り口は別であるが、まあこれは日本と同じである。上のイラストでは前と後ろに乗り口があり、真中が降り口である。
●乗ったとき
 目的のバスに乗ったら、すぐに時間印字機に切符を差し込んで時間を印字する。切符は印字していなければ翌日でも別の日でも使える。それで、その切符で乗車していることを示す乗車日時を印字するのである。ここで印字した時間から60分間(都市によっては70分、90分という所もある)は別なバスに乗り換えても乗り続けることができる。乗り間違えたらすぐに降りて乗り直しても同じ切符を使えるということ。
 地下鉄があれば、同じ切符で地下鉄にも乗れるが、地下鉄は1枚で1回しか乗れない。そのときでもバスは60分間以内なら続けて乗ることができる。60分の区切りはバスに乗ったときの印字時間で決まる。乗っているうちに時間が過ぎてもそれはOK。だから、バスには乗る度に必ず時間印字をしよう。
●乗ってから

 予定通りのバスに乗れたら、次は、目的地で無事降りられるかどうかである。これも、バスの中でそばの人に「行き先 に行くか?」と聞くとたいてい、「降りる時教えてあげるよ」と言ってくれて、直前に教えてくれる。行き先の確認にもなるから、これは良い手だと思う。イタリア語での表現は下に。

主な切符
一般的切符
0.83ユーロ
磁気式のカード切符
0.83ユーロ

磁気式カードの裏

別の都市の切符
1.03ユーロ
左の切符の裏
内容は宣伝
少し遠目の切符
3.1ユーロ

 都市によって切符の価格にはばらつきがあるようだ。一般的には2008年現在は1ユーロ位(約160円)が多い。ローマは高くて1ユーロ以上する。
 一番右の切符は、ヴェネチアからパドヴァまでの切符。市内バスとは言えないかもしれないが、市内バスと同じ種類で他の都市まで行くルートがある。ここの場合、切符売り場で行き先を言って、購入した。ヴェネチア-パドヴァ間は長距離バスも走っているが、このときは運休していて料金等詳しい事は不明。

3.市内バスのルート

 市内バスは、一つの町でも何種類かのルートがあるのが普通である。駅前にあるロータリーのどこかにバスのルート表があるからそこで見て確認する。ローマなら、テルミニ駅の前の500人広場にある。バスの前に表示してある番号で行き先が決まっているので、乗りたいルートのバスが何番かを見る。また、日本と同じようにバスの前面上に行き先が書いてあるし、ローマなどでは横にも表示される。バスが近寄ってきたとき、すばやく行き先を確認して、曖昧なら、すぐに横にいる人に確認すればよい。聞き方は下。
 乗るときや乗ってからも行き先を確認した方が良い。確認のためのイタリア語は
ペル 行き先 ペルファ ヴォーレ?」である。大聖堂に行きたいなら、大聖堂はドゥオモなので、
ペル ドゥオモ ペルファ ヴォーレ?である。
「このバスは大聖堂に行きますか?」と聞きたいなら、
(クエスト アウトブス) ペル ドゥオモ ペルファ ヴォーレ?
クエストアウトブスはこのバスという意味なので指差しで代用できる。あるいは
(クエスト アウトブス) ヴァ ア ドゥオモ ペルファ ヴォーレ?
という聞き方もある。
教えてくれたら、必ずお礼を
グラッツェと言おう。
親切だと思ったら、後ろにモルト ジェンティーレをつけると気持ちが伝わる。
グラッツェ モルト ジェンティーレである。

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