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1488〜1490年頃、当時ヴェネツィア共和国が支配していたピエーヴェ・ディ・カドーレという小さな村で生まれた。
10才頃、ヴェネツィアに出てモザイク職人として働いたが、その後、当時のヴェネツィア派の巨匠だったジェンティーレ・ペリーニ＆ジョヴァンニ兄弟に弟子入りし、画家を目指した。
初期にはジョルジョーネの影響を受け、彼の代表作といわれる「田園の合奏」や「眠れるヴィーナス」は早逝した彼の後を次いでティツィアーノが加筆し、完成させたと言われている。
フェラーラのエステ家、マントヴァーのゴンザーガ家、ウルビーノのローヴェレ家などのイタリア貴族のみならず、当時の神聖ローマ帝国皇帝カール五世もティツィアーノを贔屓にしていて、息子のフェリペ二世にも肖像画はティツィアーノに頼めと言っていたといわれる。フェリペ二世の、誰も中に入れなかったという教会横の私室にはボッシュの絵と一緒にティツィアーノの絵が飾られていた。
歴代教皇の肖像画もいくつか残している。
彼の代表作「ウルビーノのビーナス」はジョルジョーネの「眠れるビーナス」を意識して描いたがその絵は後年、ゴヤの「裸のマハ」や印象派のマネの「オランピア」などにそのイメージが継承されている。
90才近くまで生き、宗教画、神話画、肖像画など幅広いジャンルの作品を数多く残した。
油絵の具が発明され、それがヴェネツィアに伝わってから間もないころなのに、すでに卓越したテクニックを誇る画家であった。
享年は1576年。
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