ウッフィーツィ美術館

ウッフィーツィ美術館
Galleria degli Uffizi

  1559年トスカーナ大公国初代大公メディチ家のコジモ1世が画家でもあり「ルネッサンス芸術家列伝」の著書でも有名なジョルジョ・ヴァザーリに命じて造らせた建物。
 最初は行政機関を1ケ所に集めるための役所として建てられた。川に近い砂地の土壌に大きな建物をたてるのは非常に難しくヴァザーリはコンクリート工法で建てている。
 コジモ1世の後を継いだフランチェスコ1世は、上階の柱廊を封じてギャラリーとしそこにメディチ家所有の美術作品を集めた。トスカーナを中心にイタリア絵画の傑作を多く所有し、世界的にも有名な美術館となった。
 現在美術館は三階の1フロアを使っている。部屋は全部で45室(開設されていない部屋もある)あり、およそ古い順に陳列されている。
  最初の部屋は古代彫刻で始まり、18世紀ヨーロッパ絵画(45室)で終わっている 。なお34室辺りに「ヴァザーリの回廊」への入り口がある。この回廊は、メディチ家の人間が襲われるのを防ぐためピッティ宮殿からウッフィーツィまで回廊のみを使って来られるように造られたものである。
  現在はメディチ家の肖像画のコレクションを飾るギャラリーになっている。前もって予約すれば見ることができる。

■美術館の開館時間
●月曜日:休み
●火曜日〜日曜日:午前8時15分〜午後6時50分(入館は5時45分まで)

美術館の作品の紹介
第1室
ローマ時代の彫刻のコピーが置かれている。しかし閉まっていることが多い。
第2室
13〜14世紀のトスカーナ地方の絵画が飾られている。主に祭壇画。


第3室
14世紀のシエナ派の絵画。ここも祭壇画が主。

第4室
14世紀フィレンツェ派の絵画が飾られている。

第5室・第6室
15世紀前半の国際ゴシック様式の絵画が飾られている。

第7室
15世紀、トスカーナの絵画が飾られている。

第8室
フィレンツェの画家フィリッポ・リッピの作品などが飾られている。

第9室
ポライウォーロ兄弟、初期のボッティチェッリの絵などが飾られている。

第10室・第11室・第12室・第13室・第14室
ボッティチェッリの作品とフランドルの画家の作品が飾られている。

第15室
レオナルド・ダ・ヴィンチと彼に関連した画家の絵画が飾られている。

第16室
地図が飾られている。

第17室
ギリシャの彫刻「ヘルマフロディーテ」のローマ時代の模刻が飾られているが、閉まっていることが多い。

第18室
「トゥリブーナ」とも呼ばれている部屋で、メディチ家のコレクションの秀作を納めるためブオンタレンティが設計した。中でも「メディチのビーナス」と呼ばれる大理石像が目を引く。
 他にメディチ家ゆかりの人達の肖像画が飾られている。

 


美術館内の天井にも絵が描いてある

第19室
ペルジーノとシニョレッリの作品が飾られている。

第20室
ドイツ絵画の部屋。デューラーの「父の肖像」などが飾られている。

第21室
15世紀のヴェネチア派の絵画。ジョルジョーネの「小姓を連れた勇公」など。

第22室
フランドルとドイツの絵画。ホルバインの肖像画などがある。

第23室
コッレッジオの「洞窟の聖母」やマンティーニャの絵画が飾られている。

第24室
ミニチュアールの部屋。

ここまでが最初の廊下に属した部屋。ここから少し回廊があり、アルノ川や、ベッキオ宮殿が見える。

第25室
ミケランジェロの部屋。「ドーニ家の聖家族」と言われる丸い絵画作品がある。

第26室
ラッファエッロの部屋。
「ひわの聖母」「レオ10世の肖像」などがある。

第27室
マニエリスムのフィレンツェの絵画が主に飾られている。
ポントルモの「エマオの晩餐」などがある。

第28室
ティッツァーノの部屋。
「フローラ」、「ウルビーノのヴィーナス」「ヴィーナスとキューピッド」などがある。

第29室・第30室
バルミジャニーノの作品などがある。

第31室・第32室
デル・ピオンボの作品や、ロットの作品などがある。

第33室
16世紀のトスカーナ地方のマニエリスム絵画が飾られている。

第34室
主にヴェロネーゼの作品が飾られている。

第35室
ティントレット「レダと白鳥」、エル・グレコの「福音史家ヨハネ」「聖フランチェスコ」などが飾られている。

第36室〜第40室
陳列室としては使われていない。

第41室
ルーベンスの「イザベラ・ブランツの肖像」「ヘンリー4世のパリ凱旋」などが飾られている。

第42室
ヘレニズム彫刻のローマ時代の模刻や新アッティカ様式の壷などが置かれている。

第43室
カラバッジオの部屋。
「バッカス」「メドゥーサの首」「イサクの犠牲」などが飾られている。

第44室
フランドルとオランダの絵画が主に飾られている。

第45室
18世紀のヨーロッパ絵画。カナレットのヴィネチアの風景、ゴヤの肖像画などがある。

なお、ウッフィーツィ美術館にはりっぱなホームページがあるので紹介しておく。
イタリア語か英語になるが、絵を見るだけなら、それほど迷うことはない。部屋全体を再現したQTVR画像もあってなかなか楽しい。興味のある人はぜひ、行ってみてほしい。
ウッフィーツィ美術館ホームページアドレス
http://www.polomuseale.firenze.it/english/musei/uffizi/


ウッフィーツィ美術館アルノ川よりの姿