オルサンミケーレ教会
Orsanmichele
シニョリーア広場から北上してドゥオモ広場に抜けるカルツァイオーリ通
りに面している教会。
普通教会の名は「サン」、あるいは「サンタ」(両方とも「聖なる」という意味)
という単語で始まるものだが、この教会はその法則に当てはまらない名前を持っている。それは1240年にこの建物を建てるとき、小麦市場と礼拝所を兼ねた建物として設計され、当時「オルティ・サン・ミケーレ(聖ミケーレの菜園)」と呼ばれ、それがなまってオルサン・ミケーレと言われるようになったためらしい。
建設当時1階はアーケード式の吹き抜けの市場があり、2階より上に礼拝堂が設けられていた。
その後、14世紀前半に火事で消失し再建されたが、同じ世紀の半ばにペストが流行し、生き残った人達から多額の寄付が寄せられアンドレア・オルカーニャに祭壇の製作が依頼され、小麦市場も移転し、教会のみの建物となった。
この教会の特徴は外部の壁面にニッチ(へこみ)が作られ、そこに当時の代表的な作家が多くの聖人の像を作製しているところである。
ギベルティ作の「洗礼者ヨハネ」、ヴェロッキオ作の「聖トマスの不信」、ジャンボローニャ作の「聖ルカ」、ドナテッロ作とされる「聖ピエトロ」、ナンニ・デ・バンコ作「聖エジディオ」ドナテッロ作の「聖マルコ」、ピエロ・ランベルティ作の「聖ヤコポ」がある。
ニッチの彫像を見るには、そばを通ればいいだけなので、ぜひこれらの彫像を見てほしい。
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