サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会
Basilica della SS. Annunziata
大聖堂のクーポラ近くから北東に向うセルヴィ通りを進むと突き当たりにあるのがこの教会である。1250年に「マリアの下僕信心会」によって創建された。この教会の名称は、「いとも聖なる受胎告知教会」という意味である。
その後、15世紀にミケロッツォによって再建される。教会正面の柱廊は17世紀に増築されたもの。この柱廊を入ると回廊つきの中庭「願かけの回廊」があり壁面
にいくつかのフレスコ画が描かれている。
内部は、単廊式で両脇に礼拝堂が並んだ壮大なバロック建築である。おおきな正円の内陣部は、ミケロッツォとバッティスタ・アルベルティの合作である。
同じ広場に面する捨子養育院とデザインを揃えたファサードの柱廊は、軽やかなリズムを奏で、それを見るためだけに訪れてもいいほどに美しい。
なお、「願かけの回廊」のフレスコ画は「聖母被昇天」(R・フィオレンティーノ作)「聖母の訪問」(ポントルモ作)「聖母の誕生」(A・デル・サルト作)などである。
この教会で最も有名なのは、入り口すぐ左のミケロッツォ作の「受胎告知の聖母の礼拝堂」と呼ばれる礼拝堂にある「聖母像」で、天使が描いたものと言われ、礼拝に訪れる人が絶えない。
伝説では14世紀ころ、この絵を聖母の頭部以外はほぼ総てを描き終えた一人の画僧が、聖母の顔をどう描いてよいか決めかね、困り果
てて眠こんでしまったその間に、天使が自らの手で完成した奇跡の絵だと言う。
■開館時間
●水曜日以外の日:午前9時〜12時、午後4時〜5時まで
●休館日:水曜日
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