このスペーコラでは、人体の構造を示す標本は、リアルな顔を持った人体になっている。しかも、それは若い女性の形をしている物もあり、目を開いてじっとどこかを見つめていたりする。
市口桂子さんの著書「フィレンツェ・ミステリーガイド」によると、17世紀後半、シチリア島出身のガエターノ・ジュリオ・ズンボが作り、フィレンツェの宮廷に持ち込んだ二つの死にまつわるロウ細工作品がこの博物館の始まりだそうである。その後、18世紀のクレメンテ・スシーニが多くの弟子を使って作った「人体解剖ロウ細工模型」がこの展示品なんだそうな。
意外と起源は古いのだ。
ケースに入った若い女性の人体標本
深いところにある内蔵の位置と形を見せる標本。
その見開いたうつろなまなざしが印象的である。
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